私が大好きなセカオワの曲に「不死鳥」がある。
曲調自体はポップできれいなメロディであるが、歌詞はロボットと人間の切ないラブソング。
生命には終わりがあることを知りながらも永遠に憧れ、しかしながら終わりがあるからこそ美しいという対立した感情を見事なまでに表現している。
ここでは「不死鳥」についてみていきたいと思う。
目次
「不死鳥」とは?深瀬が詩に込めた想いとは?
「不死鳥」は2011年8月17日に発売されたセカオワのメジャーデビューシングル「INORI」に収録された曲。
作詞は深瀬、作曲はNakajin、メロディはセカオワが結成される前の2005年ころに完成していたようで、2009年にセカオワで演奏するとなったときにBメロだけ新しく作り替えたようだ。
詞について深瀬は以下のように語っている。
元々ラブソングが大好きで、ラブソングにあこがれをもっているのに、いざ自分が書こうとすると悩みに悩んで書けなくて。
そこからどうしようかと考えたときに会話の繋がりで物語を表現しようってなって。
自分の中で恋愛は何かと考えたときに“手に入れたいのに入らないもの”だなと思ったんです。
で、俺にとってそれは何かなと思ったら、やっぱり永遠だった。
いずれしんでしまう自分の永遠に対するあこがれをラブソングに変換してこの歌詞を書きました。
僕はもともと温度のある言葉が大嫌いで。でも、ラブソングって必然的に人間味や温かみのある言葉を選ぶことになるし、この曲でも「Never Ending World」でも、今まで絶対に書かなかった“手を繋ぐ”という言葉を書いて。
最初は抵抗もあったんですけど、今では良かったと思っています。
引用:SEKAI NO OWARI シングル「INORI」インタビュー
それでは「不死鳥」の歌詞をみていきたいと思う。以下は「INORI」のミュージックビデオ、「不死鳥」は2分2秒から収録されている。
「不死鳥」1番Aメロ。2人の恋がはじまる。
人類の発明 君は最新型ロボット
僕等と違うのはただひとつそう君は不死身なんだ
夏がはじまったとき僕と君は恋に落ちたんだ歌 :SEKAI NO OWARI 作詞:Fukase 作曲;Nakajin
「不死鳥」では「人間である僕(男の子)」と「ロボットである私(女の子)」のラブストーリーが展開されていく。
2人の違いは、不死身であるかないか。そんな2人がある夏に恋に落ちてしまった。
いずれは一方はいなくなってしまうが、もう一方は不死身で残り続けるという状況で、それぞれの想いがBメロからサビにかけて展開されていく。
「不死鳥」1番Bメロ
もしも私のこの命が限りあるものになることがいつかはできたのなら
もう一度あなたを制限時間内に見つけるは
そうしたらそれを奇跡と呼びたいの歌 :SEKAI NO OWARI 作詞:Fukase 作曲;Nakajin
「女の子」は不死身ではあるが、死=終わりがあることにあこがれを抱いており、そうなったら「男の子」を死ぬまでに見つけたいと思っている。
普通の人間であれば不死身になることが奇跡なのだが、不死身の立場では逆の考え方。
「不死鳥」1番サビ
不死鳥よ僕に永遠を与えてください
僕と君なら何にも怖くないから
天国なんて君がいないのならば
僕は君と永遠になるから歌 :SEKAI NO OWARI 作詞:Fukase 作曲;Nakajin
「男の子」は「不死鳥」に永遠の命をお願いする。
天国に行っても「女の子」はいないことは悟っており、この世界で永遠の命を手に入れてずっと一緒にいたいという想いが描かれている。
「不死鳥」2番Aメロ
神様の発明 誕生するすべてのものには
終わりをプログラムするというこの宇宙のルール
ロボットの神は人類だから天国なんてないのかなぁ歌 :SEKAI NO OWARI 作詞:Fukase 作曲;Nakajin
人間には死という終わりが神様によって定められている。
しかしながら、ロボットの神は人間であるから終わりもないし天国もない、「男の子」と「女の子」には永遠がないという悲しい現実。
「不死鳥」2番Bメロ
もしもこの聖なる星が降る夜が最初から存在しなかったのなら
あの真っ白な世界を朝とは呼ばないわ
終わりのないものなんて最初から始まりなんて無いの歌 :SEKAI NO OWARI 作詞:Fukase 作曲;Nakajin
ここでは再び「女の子」の想い、終わりのない命を持つ立場からの苦悩が展開されている。
「不死鳥」2番サビ
不死鳥よ僕に永遠を与えてください
僕と君なら何にも怖くないから
地獄だろうと君がいないのならば
僕は君と永遠になるから歌 :SEKAI NO OWARI 作詞:Fukase 作曲;Nakajin
2番のサビでは再び「男の子」。
天国であろうと地獄であろうと死後の世界には「女の子」はいない。
この世界での永遠の命を祈って、「女の子」とずっと一緒にいることを望む。
「不死鳥」3番Bメロ
死がくれる世にも美しい魔法
今を大切にすることができる魔法
神様 私にも死の魔法をかけて
永遠なんていらないから終わりがくれる今を愛したいの歌 :SEKAI NO OWARI 作詞:Fukase 作曲;Nakajin
「女の子」の最後の切ない想い。命に限りのある人間に対する憧れ、「男の子」との時間を大切にしたいから、永遠の命などいらないという想い。
「女の子」の神様は人間、だが永遠を望む人間に「女の子」の想いは届くのだろうか。
「不死鳥」3番サビ
不死鳥のように美しい君にいつか終わりが訪れますようにと
形あるものはいつか壊れるから
僕は君の手を強く繋ぐんだ僕らの空を
花火が飾り
夏が終わる歌 :SEKAI NO OWARI 作詞:Fukase 作曲;Nakajin
死の魔法をお願いする「女の子」の想いが現実になることを願う「男の子」。
ただ現実にならないことを理解して、いつかは別れが来ることを覚悟しながら、今を大切にするように「女の子」の手を繋ぐ。
恋した夏は花火とともに終わりを迎え、「男の子」と「女の子」が一緒に過ごせる時間は少なくなっていく。
はかなく散る花火がまた終わりのあることのすばらしさを象徴している。
「不死鳥」に込められた深瀬(Fukase)の想いまとめ
いかがだっただろうか?
この解釈が正しいのかはわからないが、考えれば考えるほど切ないラブソングである。
そして3番のBメロの部分は、ライブ深瀬の声で聞いたら泣いてしまう。
私がはじめて「不死鳥」をライブで聞いたのは2015年の「Twilight City」。
大好きな曲でありながらもその後は聞くことができずに、2018年の「club EARTH」で久しぶりに聞くことができて、イントロが流れたときには鳥肌が立ったのを覚えている。
今後のライブでも「不死鳥」を聞けることを祈っている。
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